AXS VISION
ビジョン
Purpose
存在意義
Architecture For All
AXSには、創立者・佐藤武夫から受け継いだ言葉があります。
「建築はもともと万人のものである。作者の強い個性をあまり主張し過ぎてはいけないと思う。
むしろ控え目に、風土と市民の演ずる舞台の引き立て役であるべきだ」
1945年の創立以来、私たちはこの哲学を受け継ぎ、社会の課題に向き合いながら、「建築の持つ公共性とは何か」を問い続けてきました。
私たちが掲げる「Architecture for All」。
その「All」は、いまや人間だけを意味するものではありません。
気候危機、生物多様性の喪失、都市環境の劣化、災害の激甚化、そして未来世代への責任。こうした課題を前に、建築や都市を人間だけのための器として考えることはできません。
人間中心から“All Beings”へ
私たちは「All」を、人だけでなく、多様な生き物、地域、都市、自然、地球、未来の存在まで含む「All Beings=すべての存在」へと広げます。
時代性や地域の風土、歴史、文化、地勢、気候を丁寧に読み解き、構想力とデザイン力によって、すべての存在が共に生きる「そこにしかない」建築をつくる。
それが、私たちの目指すArchitecture for Allです。
Vision
未来への展望
共環でつながる未来を
「共環」は、「共」と「環」から成る言葉です。
「共」は、異なる存在が同じになるのではなく、それぞれの違いを保ちながら、場や時間、価値や責任を分かち合い、ともに在ること。
「環」は、異なるものがつながり、作用し合い、その働きがめぐることで、一つの全体を形づくることを表します。
したがって「共環」とは、
「共に生きるものたちが、違いを保ちながら関わり合い、互いの働きをめぐらせ、新たな関係と価値をともに育てていくこと」
それは、あらかじめ完成された秩序ではなく、多様な存在の関わりから絶えず育まれ、更新されていく、新しい公共性のあり方です。
私たちは建築を、単なる施設や空間ではなく、多様な主体が出会い、つながり、互いの力を引き出しながら、関係と価値を育てる「共環の場」として捉えます。
建築を通じて、人と人、人と自然、生命と場所、過去と未来を結び直し、共にめぐり、共に育み、共につながる未来を構想する。
それが、私たちの考える「共環でつながる未来」です。
「共環」を形づくる4つのMission
「共環」は、公共・共創・循環・環境という4つの視点が互いに作用し合うことで成立します。
- 公共
- 社会とつながり、豊かさを育む
- 共創
- 違いを楽しみ、共感を育む
- 循環
- あらゆるものを生かし、未来をつくる
- 環境
- 地球を考え、明日をひらく
Mission
私たちの使命
-
公共│社会とつながり、豊かさを問う
私たちにとって「公共」とは、公共建築をつくることでも、人間社会だけの共通利益を追求することでもありません。
人々に「より良い日常」をもたらすと同時に、多様な生き物、地域、自然、地球、未来の存在が、共に生き続けられる条件を整え、その価値を育むことです。
「誰にとっての公共なのか」
「何を豊かさと呼ぶのか」
「現在の豊かさは、ほかの生命や未来世代に負担を残していないか」
私たちは、人々の声だけでなく、風土、自然、生態系、歴史、文化、未来への影響を読み取り、プロジェクトごとに公共の意味を問い直します。
建築を、人と人、人と自然、生命と場所の関係が育ち、使われながら価値が更新されていく「関係の舞台」としてつくる。
それが、私たちの目指す「公共」です。 -
共創│違いを楽しみ、共感を育む
私たちが「共創」で大切にしていることは
異なる専門性、経験、価値観、文化、世代、立場を持つ人々が、違いを創造性の源泉に変え、より良い答えをともに探すことです。
私たちが応答すべき相手は、人間だけではありません。風土、気候、地形、水、緑、生き物、歴史、既存の建築や素材も、固有の性質と働きを持っています。未来の利用者や、これから生まれる世代も、私たちが想像し、責任を負うべき存在です。
調査、観察、対話、データ、専門的知見を通じて、こうした「声なき存在」にも耳を澄まし、場所にすでにある力との応答から、そこにしかない建築を立ち上げます。
その実践を支えるため、私たち自身も新しい組織に挑戦します。階層型組織によって品質と責任を確保し、ネットワーク型組織によって部門、専門、地域、世代、組織の内外を越えた学びを広げます。二つの組織のしくみが互いに作用し、一つのシステムとして機能するAXS版デュアルシステムを育てます。違いを恐れず、立場を越えて意見を交わし、そこから新たな関係と価値を生み出す。
それが、私たちの目指す「共創」です。 -
循環│あるものを生かし、ない未来をつくる
私たちが「循環」で考えるのは
建築、自然、資源、記憶、知識、技術、文化、関係を受け継ぎ、その価値を読み直し、未来へ向けて組み替えていくことです。
既存の建物、地域資源、歴史や人々の記憶、公共建築で培った計画力、現場の知見、受け継いできた思想や専門性。そのすべてが、未来をつくるための資産です。
私たちは、新築だけに偏らず、改修、再生、転用によって建築と地域の価値を更新します。素材、水、エネルギー、土、緑、生態系の流れを損なわず、建築を使い、直し、受け継ぎ、再び循環へ戻すところまで考えます。
あるものを生かし、まだない関係と価値を生み出す。
つくって終わるのではなく、めぐらせ、つなぎ直し、再び育てる。
それが、私たちの目指す「循環」です。 -
環境│地球を考え、明日をひらく
私たちが考える「環境」は、
人、多様な生き物、建築、都市、自然、地球が、互いに影響を与え合いながら存在する関係の総体です。
人間も建築も都市も、大地、水、空気、光、熱、植物、生き物、資源、エネルギーがつくる大きな循環の一部です。
私たちは、地域の気候や地形、生態系を尊重し、地球環境への負荷を抑えながら、多様な生命と未来世代へ健全な環境を引き継ぐ建築を構想します。
同時に、人と人、人と場所の「あいだ」に理解や共感が育まれるよう、境界、居場所、動線、光、音、温熱、素材など、空間体験の質を丁寧に整えます。
さらに、大地を介して水、土、緑、生き物のつながりを回復し、都市と自然の間に小さな循環を育てる「共環域」を、建築のなかに生み出します。
技術だけに解決を委ねるのではなく、多様な知見を結び合わせ、すべての存在が共に生きられる基盤を建築として形にする。
それが、私たちの目指す「環境」です。
Architecture for
Allの実践へ
「共環」は、私たちが目指す未来の姿です。公共・共創・循環・環境という4つのMissionは、その未来を建築と都市の中に実現するために、私たちが社会に対して果たす約束です。
私たちは「Art × Science」を行動の規範として、異なる専門性や価値観を掛け合わせ、仮説と検証を繰り返します。そして、多様な存在に開かれた公共的価値を生み、その価値を循環させながら、環境と公共性を豊かなものへと更新していきます。
Architecture for All——すべての存在が共に生きるための建築
4つのMissionを実践し、「共環でつながる未来」を建築と都市の中に具体的に実装していく。
それが、私たちAXSの使命です。