Top Message
代表メッセージ
Architecture for All
代表取締役社長 鉾岩崇
世界はいま、大きな転換期にあります。
気候危機、災害の激甚化、生物多様性の喪失、都市環境の変容といった地球規模の課題に加え、AIをはじめとする技術革新が、社会や暮らしのあり方を大きく変えつつあります。これらの変化は複雑に絡み合い、地域や国、世代を越えて影響を及ぼしています。
こうした時代に、建築は何のためにあり、誰のためにつくられるべきなのか。私たちは、あらためてその原点を問い直しています。
佐藤総合計画の創立者・佐藤武夫は、次の言葉を遺しました。
「建築はもともと万人のものである。作者の強い個性をあまり主張し過ぎてはいけないと思う。むしろ控え目に、風土と市民の演ずる舞台の引き立て役であるべきだ」
1945年の創立以来、私たちはこの哲学を受け継ぎ、社会の課題に向き合いながら、「建築の持つ公共性とは何か」を問い続けてきました。この哲学を現代に捉え直し、未来へつなぐ言葉が、私たちのPurposeである「Architecture for All」です。
ここでいう「All」は、いまや人間だけを意味するものではありません。人だけでなく、多様な生き物、地域、都市、自然、地球、そして未来の存在までを含む「All Beings=すべての存在」を意味します。
人間も、建築も、都市も、自然や地球の大きな循環の一部です。私は、建築や都市を人間だけのための器ではなく、すべての存在が関わり合い、共に生きるための基盤として捉え直すことが、これからの建築に求められていると考えます。
私たちは、時代の要請を捉えながら、それぞれの地域が持つ風土、歴史、文化、地勢、気候を丁寧に読み解きます。そこに暮らす人々の声に耳を傾けることはもちろん、自然や生態系、既存の建築や素材、さらには未来世代への影響にも想像力を働かせます。
その実践を支える、私たちの行動規範が、AXSという名に込められた「Art × Science」です。感性と直観から本質的な問いを立て、未来への仮説を構想するArt。データや研究、技術と論理によって仮説を確かめ、実現へ導くScience。私たちは、その二つを絶えず往復し、まだない価値をかたちにします。
その間にある「×」は、異なるものが交わることを表します。建築、都市、構造、環境、デジタル・AIなどの専門家が、部門や組織、地域、世代の境界を越えてつながり、それぞれの違いを創造性の源泉に変えていく。国内外のプロジェクトから得た視点と社内外の知見を結び合わせ、地域に根差した「そこにしかない」建築をつくります。
私たちが目指す建築は、完成した時点で終わるものではありません。人と人、人と自然、生命と場所、過去と未来が結び直され、互いの力を生かしながら、使われ、育まれ、その価値が更新されていく。こうして多様な存在が支え合い、めぐり続ける関係を、私たちは「共環」と呼びます。建築や都市は、その共環が生まれ、育っていく場——「共環の場」でありたいと考えます。
Architecture for All——すべての存在が共に生きるための建築
このPurposeのもと、Art × Scienceを行動規範として、佐藤総合計画は建築と都市の未来を構想し、より良い社会と健全な地球環境を次の世代へつないでまいります。
代表取締役社長 鉾岩 崇
代表取締役社長 鉾岩崇