天津オリンピックセンタースタジアム

水面に浮かぶガラス・スタジアム

北京オリンピックの開催会場として

本施設は2008年開催された北京オリンピックの主要スタジアムとして天津に計画されました。建設予定地に隣接しては、天津市最大の水上公園があります。

都市環境に融合する水と緑のスタジアム

柔らかな曲線の大屋根をもつ、この新しいエコロジカルなスタジアムは、まるで水滴のように人工の水盤と連続し、豊かな水と緑の周辺環境に調和します。

施設概要

所在地
中華人民共和国天津市[ ]
用途
スポーツ施設
構造
RC、SRC、S、PC
規模
地上6階
延床面積
158,000m2
竣工
2007年6月

受賞歴

2009年
JAPANプロジェクト国際賞 国土交通大臣賞
2008年
中国建築学会建築創作大奨

都市環境に融合する水と緑のスタジアム

柔らかな曲線を持つスタジアムの大屋根は、まるで水滴のように人工の水盤と連続し、豊かな水と緑の周辺環境に調和します。この新しい施設はエコロジカルな建築としても、新世紀の幕開けにふさわしい天津市のシンボルとして、都市景観に新たな息吹を吹き込みます。
金属とガラストップライトで構成された最先端のハイテク大屋根は、あたかも呼吸する皮膚のように四季の環境に応じて太陽の光・熱そして風をコントロールし、理想的な競技環境を創出します。この豊かな水と緑に包まれた天津の都市景観と融合し、かつ効果的に制御された最先端ハイテク・スタジアムは、中国国内だけでなく世界を代表する体育センターとなるでしょう。

水の都に水滴をイメージしたスタジアム

天津はかつて「津沽」「沽水」「沽上」と呼ばれ、豊かな水と緑の都市でした。そこからイメージした新しい生命を育む水滴〈露珠〉をデザインモチーフとしました。

自然を活かした環境スタジアム

金属とガラストップライトで構成された屋根は四季の環境に応じて光・熱・風を効果的にコントロールし、理想的な競技環境を創り出しています。

3次曲面を構成する構造と3層の仕上げ

架構は片持ちの平行弦トラスをV字型に組み、小梁を円周状に繋ぐことで、面としてのリング効果を持たせ、屋根面の面内剛性を高めるシステムとしています。
被膜は下方から強化合わせガラス、金属複合パネル、ポリカーボネートの3層で構成しており、3次元CADで全体の割付を行った上で、架構に合わせた取付け方法を選択しています。

設計者からの一言

形状の異なる金属パネル、ポリカーボネート、強化ガラスをうまく組合わせて美しい曲面屋根に仕上げました。
“露珠”(水滴)をイメージしたスタンドとコンコースをすっぽりと覆う美しい屋根のシルエットが見所です。