東京経済大学国分寺キャンパス

国分寺崖線と共にあるエコロジカルキャンパス

「国分寺崖線(がいせん)」は、多摩川が武蔵野台地を浸食してできた20kmにも及ぶ斜面地で、武蔵野の森の面影を残す多様な植生と崖の滞水面に見られる湧水が特徴のエリアです。
この崖線内に位置している東京経済大学国分寺キャンパスの敷地南半分の斜面は樹木の生い茂る鬱そうとした森であり、東京名湧水57選に選ばれた「新次郎池」をはじめ貴重な環境資源が今でも残されています。
本計画では、この自然をキャンパス全体に取り込み、森のような環境の中に多様な学生の居場所をつくることを一つのテーマとしました。既存校舎が分断していた南側の自然とキャンパスとのつながりを建物の再配置により回復し、緑をキャンパスの中心まで浸透させました。中央広場を取り囲む教室棟と図書館は回廊で結び、森につながる散策路も整備していします。回遊性の向上が学生の活動領域を広げ、新しい居場所が自然発生的に生まれることを意図しました。

施設概要

所在地
東京都国分寺市[ ]
公式サイト
WEB
用途
大学、大学(図書館)
構造
5号館:SRC、S
図書館:SRC、S
進一層館:RC(屋根のみS)
規模
5号館:地上4階、地下1階
図書館:地上4階、地下1階
進一層館:地上2階、地下2階
延床面積
5号館:8,407m2
図書館:7,844m2
進一層館:3,888m2
竣工
5号館:2012年1月
図書館:2013年1月
進一層館:2014年1月
備考
蔵書数 900,000冊

受賞歴

2015年
グッドデザイン賞 公共用の建築・施設(大倉喜八郎進一層館)
2014年
グッドデザイン賞 公共用の空間・建築・施設

国分寺崖線の森を生かし多様な学生の居場所をつくる

学生の居場所をつなぐ“アクティブパス”

キャンパスの骨格となるのは、“アクティブパス”と呼ばれる学生の動線とフリースペースを組み合せたコモンスペースです。廊下の壁面をくり抜いたベンチや森を眺めながら座るデスクなどを配し、学生のアクティビティを高めます。

森の環境を媒介する“エコスキン”

ライトシェルフ・緑化・遮光スクリーンといった内外にわたる環境共生の仕掛け“エコスキン”は、周囲の場に合わせた調和の風景を生みだします。読書や自主学習、ディスカッションなどさまざまな学びのアクティビティが折り重な。り合いながら、建物に奥行きを生み出します。

図書館と環境配慮の新たなカタチ“ブックウォール”

新しい図書館内には、“ブックウォール”と呼ばれる書架を兼ねた木ルーバーと吹抜けを組み合わせた仕掛けを施しています。トップライトからの導光、換気とファンを組み合せた空気循環機能を持つエコボイドとしての役割を果たします。

設計者からの一言

キャンパスの豊かな森を活かした設計を行い、5号館・図書館共にCASBEEのSランクを取得しました。特に図書館においては、国土交通省の省CO2先導事業にも採択されるなど、その場所ならではの環境配慮のあり方を追求しています。さらには日本建築学会作品賞を受賞した鬼頭梓氏設計の旧図書館を、その無柱空間を活かしてホールへと改修し、サステナブルなキャンパスを実現しました。

撮影者:株式会社 川澄、小林研二写真事務所